『不妊、当事者の経験――日本におけるその変化20年』、竹田恵子

¥2,700  

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『不妊、当事者の経験――日本におけるその変化20年』、竹田恵子、洛北出版
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不妊、当事者の経験 ―― 日本におけるその変化20年』
 竹田恵子 [著]

  • 仕 様 四六判 並製 589頁
  • 発 行 洛北出版
  • 刊行日 2018年9月末刊行
  • ISBN 978-4-903127-27-9 C0036
  • 定 価(本体価格 2,700円+税)



  不妊治療は、少しずつ、現在のような普及[ふきゅう]に至りました。むかしと比べ、受診への敷居[しきい]が低くなったのは間違いないでしょう。

 とはいえ、治療を実際に始めるとなると、多くの人は、躊躇[ちゅうちょ]、不安、迷い、焦り[あせり]などの、重い感情を経験します。

 不妊治療をめぐるこのような経験は、何が原因で生じるのでしょうか?
 また、このような経験は、不妊治療が普及していったこの20年間で、どのように変化していったのでしょうか?
 この本は、以上のような、たいへん素朴な疑問から出発しています。

 不妊治療が普及していったこの間は、日本の社会もおおきく変わり、情報通信技術の普及によるコミュニケーションの変容もあった時代でした。しかも、不妊治療を受ける当事者は世代がかわる移行期にありました。

 そのため、この本では、二つの時代(2000年代初期と2010年代初期)に治療を受けた当事者たちへの、インタビュー調査とアンケート調査をもとに、一人ひとりの経験をくわしく取り上げています。さらに、この二つの時代の、家族形成、仕事環境、インターネット利用、公的支援なども視野に入れ、医療の素人[しろうと]である当事者が編[あ]み出す、不妊治療への対処法を明らかにしています。

 不妊治療をめぐるさまざまな経験に悩まされた当事者たち――彼女・彼たちが、それでも不妊治療をつづけるには、それなりの努力が必要でした。その努力は、「素人」ならではの、いくつもの「ちいさな」対処法を編み出しました。それらの対処法、すなわち技術(アーツ)は、驚くほどユニークな側面をもっており、しかも不妊治療の現場で、次の新しい当事者へと伝えられていったのです。

 そしてこの、ちいさな技術(アーツ)の積み重ねと伝達こそが、現在の不妊治療のかたちを導いた原動力であるとともに、不妊治療が暴走することのないようチェックする、静かですが強力なブレーキの役目を果たしていたと考えられます。

 まずはこの本の目次をご覧いただいて、関心のある章から、ざっと目を通してみてください。一人ひとりの当事者の、息づかいを感じていただければ幸いです。

 

目 次
はじめに/ 序 章

第1章 不妊治療への躊躇い
  コラム1 事実婚カップルの不妊治療

第2章 2000年代初期と2010年代初期の日本と不妊治療
  コラム2 性的少数者の家族形成と不妊治療

第3章 2000年代初期の不妊治療と躊躇
  コラム3 独身者が子をもつ方法

第4章 2010年代初期の当事者の意識――アンケート調査から
  コラム4 HIV感染と不妊治療

第5章 2010年代初期の不妊治療と躊躇――インタビュー調査から
  コラム5 障害と不妊治療

第6章 躊躇を克服する知恵と技術[アーツ]
  コラム6 不妊治療を受ける外国人

第7章 躊躇に関与する文化社会的要因
  コラム7 高齢女性の不妊治療

第8章 躊躇をめぐる社会的統制
  コラム8 不妊治療と男性

終 章 これからの不妊治療と社会
  コラム9 不妊治療に携わる医師の躊躇

文献一覧/ あとがき/ 巻末資料/ 索 引


「ためし読み」



竹田恵子
 Takeda Keiko
1967年生。博士(人間科学、大阪大学)。現在は、大阪大学人間科学研究科招聘[しょうへい]研究員。専門は医療社会学、臨床[りんしょう]社会学。インタビュー調査を用いた質的研究を中心に行なう。1990年から臨床検査技師として働くも、医療にかかわる問題に関心を持ち、1996年に放送大学へ入学。その後、奈良女子大学へ編入学する。臨床検査技師と学生の二足のわらじを履[は]きながら、当事者(患者)として、不妊治療にも挑戦した経験がある。本書が初めての単著である。(2018年8月時点の略歴)


装 幀
 本文デザイン・組版・カバーデザイン――
 いずれも洛北出版編集による。

 制作過程の一部は、『不妊、当事者の経験』を参照ください。本書にかんするブログ投稿をまとめてあります。

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